小児がん情報ステーション

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小児がんについて

小児のがん

 

がんはどのような病気ですか

ひとの体は、心臓、肺、脳、肝臓などのさまざまな臓器(ぞうき)により構成されます。それぞれの臓器はその役割を果たすために必要な細胞(さいぼう)により構成されています。細胞は必要に応じて性質を変化したり(分化:ぶんか)、分裂して数を増やしたり(増殖:ぞうしょく)して、健康な体を維持しています。がんとは、臓器を構成する細胞に異常が発生し、その結果として、体が必要としていないのに細胞が分裂を続け(自立性増殖:じりつせいぞうしょく)、発生した臓器や周囲の臓器に障害を与え、また、血液の流れにのって離れた臓器にも新しい病巣を形成し(浸潤と転移:しんじゅん、てんい)、体の維持に必要な栄養を奪い衰弱させる(悪液質:あくえきしつ)病気です。

がんの名前

がんの名前は、最初に異常を生じた細胞により構成される臓器に由来することが一般的です。例えば、肝臓を構成する細胞に異常を生じ、がんを発症した場合には「肝がん」と呼ばれます。「肝がんの細胞」が血液の流れにのって肺にも病巣を形成(転移)した場合には「肝がんの肺転移」と呼ばれます。肺を構成する細胞からがんを発症した場合には「肺がん」と呼ばれます。いずれも肺にがんが存在する状態ですが異なる病気です。

こどもの病気とがん

日本では年間に2,000~2,500人のこどもが新たにがんと診断されています。年間の発生は、こどもの人口約10,000人に対し1人の頻度であり、稀な病気です。1はこどもの死亡原因を年齢別に示しています。新生児、乳児に最も頻度の高い病死原因は先天異常であり、それ以降ではがんであることが示されています(事故などの病死以外の原因を除きます)。多くの幼い命ががんにより失われています。一方、小児がんに対する診断、治療は著しく進歩しています。過去30年間で長期生存率は約30%から70%まで向上しました。小児がんは稀な病気ですが、致命的な病気であり、適切な治療により克服の可能性が高い病気です。

 

表1 年齢別こどもの死亡原因

 

 
1位
2位
3位
4位
0歳
先天奇形, 変形および染色体異常
周産期に特異的な呼吸障害等
乳幼児突然死症候群
胎児及び新生児の出血性障害等
1-4歳
不慮の事故
先天奇形, 変形および染色体異常
悪性新生物
心疾患
5-9歳
不慮の事故
悪性新生物
先天奇形, 変形および染色体異常
肺炎
10-14歳
悪性新生物
不慮の事故
自殺
心疾患
15-19歳
不慮の事故
自殺
悪性新生物
心疾患
全人口
悪性新生物
心疾患
脳血管疾患
肺炎

 
厚生労働省人口動態統計年報 主要統計表 平成18年版
第8表 死因順位別にみた年齢階級・性別死亡数・死亡率・構成割合 総数http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suii06/deth8.html

小児がんの種類と頻度

2は小児がんの種類を示しています。最も頻度が高い白血病は、血液中の細胞である白血球などから生じるがんで30-40%の頻度です。脳から生じる脳腫瘍(約20%)、副腎あるいは神経節などから生じる神経芽腫(約10%)、リンパ節などから生じるリンパ腫(約7%)が続きます。白血病、脳腫瘍、リンパ腫などの病名はおおまかな分類であり、それぞれ、さまざまな種類・性質の病気の集合です。表3は成人のがんの種類を示しています。成人に多い肺がん、胃がん、大腸がん、乳がんなどはこどもにはほとんどみられません。

表2 小児がんの種類と頻度
 

疾患名
各疾患の割合
白血病
34.6%
脳(脊髄)腫瘍
18.9%
神経芽細胞腫
13.9%
リンパ腫
6.8%
網膜芽細胞腫
5.1%
悪性骨腫瘍(骨肉腫, ユーイング肉腫など)
3.4%
腎臓の悪性腫瘍(ウィルムス腫瘍など)
3.1%
結合組織・軟部組織の悪性腫瘍(横紋筋肉腫など)
3.0%
肝臓の悪性腫瘍(肝芽腫など)
2.1%
卵巣の悪性腫瘍(胚細胞腫瘍など)
1.0%
その他
8.1%

平成16年度「小児慢性特定疾患治療研究事業の全登録人数」悪性新生物の詳細
http://www.nch.go.jp/policy/shoumann16/01-akusei16shinn/h1601.html


表3 成人のがんの種類と頻度

2003年に新たに診断されたがんは641,594

 
1位
2位
3位
4位
5位
備考
男性
前立腺
結腸
肝臓
結腸と直腸を合わせた大腸は2位
女性
乳房
結腸
子宮
結腸と直腸を合わせた大腸は2位
男女計
結腸
乳房
肝臓
結腸と直腸を合わせた大腸は2位

がん情報サービス/がんの統計 ’09/部位別がん罹患数(2003年)
http://ganjoho.ncc.go.jp/public/statistics/backnumber/2009_jp.html