小児がん情報ステーション

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小児がんについて

小児がんの治療/よりよい治療を受けるためには

小児がんは治るのですか

がんの種類によりさまざまに異なりますが、小児がん全体の約70%が治ると考えられています。ただし、がんが治ったと判定することは容易ではありません。治療により、一度消失していたがんが再び現れることを再発(さいはつ)と呼んでいます。がんが再発するかどうか、時間が経過しない限り、正確に知ることはできません。通常の検査で、がんの病変が見つけられない状態を寛解(かんかい)と呼んでいます。がんの治療においては、治癒という言葉を用いず、寛解が長く続くことを治癒と同じ意味と考えることが一般的です。

小児がんの治療はどこで行われますか

小児がんの治療の経験が豊富な医療施設が望ましいことはいうまでもありませんが、通院は可能か、快適に過ごせるか、医療者と信頼関係を築けるかなども重要な要素です。

治療の中心的役割を担う医師は、がん治療を担当する小児科医であることが一般的です。がんの種類によっては手術が必要な場合があります。小児がんの手術には、一般(小児)外科だけでなく、脳神経外科、耳鼻咽喉科、眼科、整形外科などさまざまな専門医の協力が必要なことがあります。また、放射線治療が必要ながんも少なくありません。合併症の治療のために、内分泌、循環器などの専門医の協力が必要なこともあります。治療に必要な専門医療の協力体制は重要な要素です。

小児がんでは、長期間の治療を要することがしばしばですので、保育士、臨床心理士、チャイルドライフスペシャリスト(こどもの病気、検査、治療などに対する理解を求め、恐怖などを軽減するための専門家)、宿泊施設、院内学校(養護学校などが併設されている施設もあります)などの支援体制も大切な要素になるかもしれません。

よりよい治療を受けるためにはどうしたらいいですか

こどもががんと診断され、治療を行う医療施設が決まったら、担当医から診断、治療についての詳しい説明とともに、具体的な治療の選択肢が提示されるでしょう。担当医を含む医療者は、医学的な基礎知識を持たない患者やその家族に理解されるようわかりやすく説明することを心がけていますが、説明のすべてを一度に理解することは容易ではありません。がんという診断に動揺し、気持ちの整理もできていない時期に、このような説明が行われることがしばしばです。医療者の説明により、理解できたこと、理解が難しかったことを整理し、納得できるまで、繰り返し説明を求める、質問を重ねることが重要です。がんという病気の性質上、どのような治療を受けたとしても、致命的な結果に至る可能性は避けられません。病気を理解し、治療の選択に参加し、治療の過程を理解することは、よりよい治療につながる大切な要素です(表4を参考にして下さい)。

表4 よりよい治療を受けるために理解しておきたいことがら 

(1) 診断
 がんの種類(病気の名前)
 からだのどこにがんが存在するか(病期、あるいはステージと呼ぶこともあります)
(2) 治療の選択肢
 治療にはどのような選択肢があるのか
 どのような理由でどの治療を勧めるのか
 選択肢に臨床試験が含まれる場合にその選択は適当か
(3) 医療者(医療施設)の治療経験と対応可能な医療
 同じ病気に対する治療の経験はあるのか
 手術、放射線治療などが必要な場合に対応が可能か
(4) 治療
 期待される効果
 治療期間とスケジュール(入院/外来治療)
 治療によってどのような副作用を生じる可能性があるか
 治療が終わってから生じ得る副作用はどのようなものか
 副作用にどのように対応するのか
(5) 生活、その他
 医療費の詳細について相談する窓口は
 学校に行けなくなる期間とその間の対応は
 入院治療中の家族の面会や宿泊への対応は
 チャイルドライフスペシャリスト、臨床心理士、保育士などによる支援は得られるか

セカンドオピニオン

診断や治療について、別の医師の意見をセカンドオピニオンと呼びます。小児がんは致命的な病気であること、進歩の著しい医学領域であること、治療に伴うリスクが大きいことなどから、複数の医療施設、あるいは医療者の意見を求めることはよりよい治療を求める手助けになり得ます。意味のあるセカンドオピニオンを求めるためには、担当医による医療情報の提示が不可欠です。現在の医療施設の提案や対応に特に不満を感じていなくても、セカンドオピニオンを得ることにより、診断や治療についての理解が深まることがしばしばあります。セカンドオピニオンを求めることを、現在の医療施設や医療者に遠慮する必要はありません。

標準治療と臨床試験

現在行われている小児がんに対する治療には、生存率はもとより、副作用の軽減、治療期間の短縮など、さまざまな改善が期待されています。改善を目指した新たな治療の試みが臨床試験(りんしょうしけん)です。新たな治療の試みは科学的に改善が期待されると考えられ、その治療を受けることが倫理(りんり;人として守り行うべき道)的に妥当であると判定された場合のみに行われることが許容されます。新たな治療の試みは臨床試験として計画され、医療者、科学者、法律や人権に関する専門家などから構成される倫理審査委員会(りんりしんさいいんかい)などで審査されます。臨床試験は、倫理審査委員会で承認され、参加することが適当と考えられる場合に、治療の選択肢として提示されます。現在、一般に行われている治療で、それぞれのがんの種類、進行に応じて、最も良好な治療成果が確認されている治療を標準治療(ひょうじゅんちりょう)と呼びます。ほとんどの標準治療は以前に行われた臨床試験治療です。臨床試験として収集された治療の効果、安全性に関する情報が成果を示す根拠とされます。がんに対する治療を選択する場合には、標準治療と、参加可能な試験が存在する場合に臨床試験による治療のいずれかを検討することが通常です。

こどもに説明するべきでしょうか

 こどもががんと診断された場合に、「こどもに説明するべきか」「誰がどのように説明すればいいのか」という問題が生じます。こども達自身は、自分のからだの具合が悪いことを自覚し、さまざまな検査や治療を受け、心配する両親の表情を目の当たりにしながら過ごしています。適切な説明が行われない場合、こども達はさまざまな想像をし、ストレスを抱え、明らかにされない病気に対し、強い不安や恐怖を抱きます。また、自分が病気になった原因を、何かいけないことをした罰であると、自分を責めることもあるかもしれません。こども達に対し、誠実に説明することが大切です。こども達は、誠実に説明され、年齢相応の理解をすると、治療に協力できる可能性が高くなります。