治療の基本は腫瘍の切除と化学療法です。まず腫瘍を切除してそれから化学療法を行う場合と、最初に化学療法を行ってから手術を行う場合があります。大きな腫瘍では下大静脈や心臓の中まで腫瘍血栓(しゅようけっせん)ができていることが稀にあり、化学療法で血栓をできるだけ小さくした上で、必要があれば人工心肺を使用してこれらの腫瘍血栓を切除することもあります。可能であれば正常部分の腎臓を残すことを目指しますが、多くの場合は腫瘍のある腎臓を合併切除しなければなりません。
ウィルムス腫瘍に対する抗がん剤の組み合わせは、予後良好型か予後不良型か、腫瘍の進展度などによって、ビンクリスチン+アクチノマイシンDの二剤か、ビンクリスチン+アクチノマイシンD+アドリアマイシン(ドキソルビシン)の三剤かのどちらかが選択されます。放射線照射についても同様です。局所の再発の危険性が高いと考えられる場合は腹部への放射線照射が行われます。また、肺転移がある場合には両側の肺への照射が行われます。
両側性のウィルムス腫瘍については、原則として、それぞれの腎腫瘍に対して組織型と腫瘍のひろがりが検討され、その結果に応じた化学療法と放射線照射が選択されます。手術では可能な限り腎機能を残すことを目指します。 |