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疾患別情報

ランゲルハンス細胞組織球症

略語・別の呼び方は?

Langerhans cell histiocytosisを略してLCHと呼ばれます。過去には病態に応じてHistiocytosis X、Letterer-Siwe病、Hand-Schűller-Christian病、好酸球性肉芽腫(こうさんきゅうせいにくげしゅ)と呼ばれていましたが、現在は一括してLCHと称されます。

どのような病気ですか?

ランゲルハンス細胞は、免疫を担当する樹状細胞(じゅじょうさいぼう)と呼ばれる細胞に由来します。LCHは、このランゲルハンス細胞の増殖と、それに伴う炎症(えんしょう)により、さまざまな症状を呈する疾患です。
症状としては、皮下出血を伴う皮疹、脂漏性湿疹(しろうせいしっしん)、溶骨(ようこつ;骨が溶けるように壊される病変)など骨の病変による痛みや腫れ、中耳炎、外耳道炎、脳の一部である視床下部下垂体(ししょうかぶかすいたい)の病変による尿崩症(にょうほうしょう;尿中へ水分の排泄を調節するホルモンの異常により多飲多尿を生じる)などの頻度が高く、そのほかにも、肝臓、脾臓、肺、骨髄、リンパ節、胸腺、消化管、中枢神経など、病変は全身のあらゆる臓器に生じます。成人例では、肺病変が多く、喫煙との関連が指摘されています。

頻度は?

年間の発生率は、欧米では小児100万において5人あまりと推定されています。国内の小児LCHの登録(頻度などを調べるための研究による)は年間40例ほどです。乳幼児期に多く発症しますが、成人にも生じます。

原因は?

原因は不明です。腫瘍性の疾患と考えられていますが、何らかの免疫調節異常による反応性の病変とする意見もあります。

生存率は?

一般に生存率は良好ですが、乳幼児では急速に進行し重篤となる例があります。また、LCHは再燃率が高いことが特徴です。

どのように診断しますか?

病変部の生検(診断を目的として病変の一部を手術などにより切除)を行い、LCH細胞の存在を証明することで診断します。画像検査によって病変の広がりを評価し、単一臓器型(single system)、多臓器型(multi system)などに分類します。

どのような治療が行われますか?

ステロイドホルモンや抗がん剤による化学療法が有効です。通常、病変部の広範な外科的切除、放射線照射は行われません。多臓器病変をともなう難治例では、造血幹細胞移植などの強力な治療が試みられています。LCHの発症から数年経過後に、尿崩症や下垂体前葉(かすいたいぜんよう)ホルモンの障害、小脳の変性(からだを思うように動かせないなどの神経症状)などさまざまな晩期合併症を生ずる例があり、長期的なフォローアップが必要です。

ランゲルハンス細胞組織球症の骨病変:表面は「たんこぶ」のように腫れ、押すと痛がります。レントゲンでは、頭蓋骨に円形の溶骨を認めます。