肝の悪性腫瘍では手術により腫瘍を全部切除することが長期生存のための必須条件と考えられています。肝臓の手術はどこでも切り込めるわけではなく、それぞれの区域やそこに向かう血管、胆管の枝分かれを考えて、左外側区域切除、左葉切除、右葉切除、拡大右葉切除、三区域切除といった標準術式の中から選択されます。原則的には、はじめに化学療法により腫瘍を小さくして、腫瘍が切除可能と判断されたところで手術をするようになります。また、切除した後に目に見えない様なわずかながん細胞が残った場合にも、化学療法によってある程度はその腫瘍を死滅させることができると考えられています。 化学療法を徹底的に行っても腫瘍のできた位置や進展度によっては切除が不可能な場合もあります。このような場合、遠隔転移がなければ、近年では肝移植も一つの選択肢と考えられるようになりました。世界中で数百例が行われているのみで経過観察期間も短いため、有効性は確立されていません。 肝芽腫では抗がん剤の投与が必須です。用いられる薬剤としては、シスプラチンとアドリアマイシン(ドキソルビシン)、あるいはTHP-アドリアマイシン(ピラルビシン)の併用療法が基本です。この治療で十分な効果が得られなかった場合は、イホスファミド、エトポシド、カルボプラチンなどの併用化学療法、抗がん剤の動脈注入療法、動脈塞栓療法などが試みられます。 大量化学療法の効果は明らかに示されていませんが、通常の化学療法で治癒の難しい転移のある症例などに試みられることがあります。 |