小児がん情報ステーション

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疾患別情報

髄芽腫

略語・別の呼び方は?

英語表記であるmedulloblastomaを略してMBと記されることがあります。腫瘍のできた部位によって、小脳腫瘍、第4脳室腫瘍と呼ばれることもあります。

どんな病気?

後頭蓋窩(こうずがいか)にあり運動をつかさどる小脳という部位にできる腫瘍です。WHO分類による悪性度はgrade IVです。幼稚園から小学校低学年の幼児に多い脳腫瘍ですが、乳児や中学生以上にも生じます。転びやすい、ふらつくなどの小脳失調(しょうのうしっちょう)症状や、脳脊髄液の流れが腫瘍でふさがれることによる水頭症(すいとうしょう;脳や脊髄の周りを循環する脳脊髄液が貯留し脳室や頭囲が拡大する)、頭痛・おう吐などの頭蓋内圧亢進(ずがいないあつこうしん;腫瘍などの影響で頭蓋内の圧力が上昇し脳に影響を及ぼす)症状でみつかります。

診断は?

頭部のCTやMRI検査から髄芽腫を疑うとき、同じ部位にできて、治療戦略が異なる上衣腫(じょういしゅ)と呼ばれる脳腫瘍との鑑別(かんべつ;よく調べて区別すること)が必要です。乳児では非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍(atypical teratoid/rhabdoid tumor:AT/RT)と呼ばれる脳腫瘍との鑑別も重要です。腫瘍の一部を手術により切除(生検)して、腫瘍細胞の性質を詳細に解析して診断(病理診断)します。
髄芽腫では、診断時から脊髄などに播種(はしゅ;脳脊髄液を介して離れた部位に腫瘍病変を生じる)を伴うことも少なくありません。脊髄MRI、脳脊髄液検査を行って播種の有無を確認します。

リスク・治療は?

小児の髄芽腫は、年齢、播種の有無、手術による腫瘍の摘出範囲により、リスクグループに分類されます。3歳以上で、播種がなく、腫瘍がほぼ全摘された場合には、標準リスク群に分類されます。標準リスク群以外は高リスク群に分類されます。
小児の髄芽腫に対する治療では、手術による腫瘍摘出と放射線治療の骨格に、抗がん剤による化学療法が組み合わせられます。標準リスク群に対しては、腫瘍摘出に引き続き、化学療法、放射線治療が行われ、70-80%以上の長期生存が期待されます。放射線治療による晩期合併症(ばんきがっぺいしょう)は深刻な問題であり、治療成績を維持して放射線治療の減量を目指すことが課題とされています。高リスク群に対しては、より強力な化学療法・放射線治療が行われますが、期待される長期生存率は50-60%にとどまっています。3歳未満の乳幼児では、放射線治療による知能・発達障害などの合併症がより深刻なため、放射線治療を行わずに、大量化学療法を行うなどの治療戦略がとられます。