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疾患別情報

急性骨髄性白血病

略語・別の呼び方は?

英語表記であるacute myeloid leukemia あるいはacute myelogenous leukemia を略してAML と呼ばれます。

どのような病気ですか?

造血前駆細胞(ぞうけつぜんくさいぼう;未熟な血液細胞)から生じる悪性腫瘍を白血病と呼びます。白血病は急性白血病と慢性白血病に分類されます。急性白血病はさらに、急性リンパ性白血病と急性骨髄性白血病に分類されます。
急性骨髄性白血病は、造血前駆細胞の中でも骨髄前駆細胞(こつずいぜんくさいぼう)と呼ばれる未熟な血液細胞に由来します。骨髄前駆細胞とは、白血球の成分である顆粒球(かりゅうきゅう)や単球(たんきゅう)、赤血球(せっけっきゅう)、血小板(けっしょうばん)の元になる血液細胞のことです。
白血病細胞は骨髄(骨の中にある血液細胞が造られる組織)で増殖するため、正常な血液細胞が造れなくなります。また、骨髄以外にも肝臓、脾臓、脳・脊髄(中枢神経)、皮膚などに浸潤(しんじゅん;白血病細胞が臓器にしみ込むようにひろがる)します。

頻度は?

急性骨髄性白血病は急性白血病の約25%を占めます。本邦の15歳未満の人口1,800万人に対して、年間150~200例の新規発症があると推定されています。

原因は?

原因は明らかでありません。未熟な血液細胞に、何らかの理由で染色体や遺伝子の異常が積み重なった結果、白血病を発症することが知られています。大量の放射線や、ある種の化学物質(ベンゼンなど)に暴露すると、白血病になりやすいことが知られています。ダウン症候群児は白血病を発症する頻度が高いことが知られています。また、別のがんに対する化学療法や放射線治療の後に、急性骨髄性白血病を発症することがあります(2次性白血病)。

生存率は?

約80~90%に完全寛解(顕微鏡など目に見えるレベルで白血病細胞が消失している状態)が、約60%に長期生存が期待されます。ダウン症候群児に発症する急性骨髄性白血病や、急性前骨髄球性白血病(Acute Promyelocytic Leukemia:APL)では、80%以上の長期生存率が期待されます。

どのように診断しますか?

骨髄穿刺(骨盤の骨などに針を刺して、注射器で骨髄液を吸引する検査)を行い、骨髄液の標本を顕微鏡で観察して診断します。骨髄液の一部を利用して、白血病細胞の表面にある目印(細胞表面抗原/マーカーと呼びます)や染色体・遺伝子の異常を調べます。また、腰椎穿刺(ようついせんし;腰の高さの背骨の隙間から針を刺して検査のための脳脊髄液を採取)により、中枢神経(脳や脊髄)への白血病細胞の浸潤の有無を調べます。

どのような治療が行われますか?

急性骨髄性白血病では、複数の抗がん剤を組み合わせた化学療法と呼ばれる治療が行われます。急性前骨髄球性白血病(APL)では、レチノイン酸(ATRAと呼びます)という薬剤と化学療法を併用した治療を行います。また、再発リスクの高いことが予測される場合(ある種の染色体・遺伝子異常を伴う場合や、1コースの化学療法だけでは完全寛解に至らないなど)には、造血幹細胞移植が行われます。

2009年10月28日更新 東京医科歯科大学大学院 発生発達病態学分野 富澤 大輔